6月末の任期満了に伴う委員改選後の初の審議会となった第一回目の審議会は7月26日に開催され15人(うち欠席3人、大隈典子委員、大塚憲治委員、本田紀子委員)に、梅原克彦市長が委嘱状を手渡しました。傍聴者はひぐちを含め19名。
2名の女性副市長とともに出席した梅原市長は説明用のパネルを見せながら「仙台市は副市長3人のうち女性を2人起用するなど、男女共同参画に積極的に取り組んできた。審議会は、共同参画の哲学も含めて自由闊達(かったつ)に議論してほしい」また「仙台市長に就任したときに市役所内を調べた。すると先進国だというのに議会棟で男女共用のトイレがあったことにびっくりし、さっそくそのトイレを男子専用のトイレに改装した。このエピソードでもわかるように、自分は男女共同参画推進主義者である。」と30分にわたり、述べました。その後副市長と一緒に退席をしました。
前任期に続いて審議会の会長に就いた水野紀子・東北大大学院教授は、「女性や子どもの幸福のために、哲学ではなくどんな施策ができるか実務的な観点で話し合っていきたい」とあいさつしました。
審議会では仙台市側から現在のプランについての説明があり、委員からは「DVといっても昨今は男性が女性から暴力を振るわれるということも聞いている。その救済についてはどう考えているのか?」「セクシュアル・ハラスメントにおいて女性が加害者という場合もある。女性ばかりが被害者ではないのではないか」の意見が出され、「DVについては圧倒的に加害者が男性の場合が多い。女性の死亡者も多く、救済が急務である」「セクシュアル・ハラスメントについてはこの4月に男女雇用機会均等法が改正され両性に対する措置がうたわれた。国の計画に沿って仙台市でも対処することになる」と話されました。
委員の任期は2年。2009年度からの共同参画計画策定に向けた審議を行う予定であるが、当面は現計画の推進、DV防止・保護基本計画について話し合いが行われる運びとなっています。
次回の審議委員会は10月頃に開催予定。
○仙台市の男女共同参画推進審議会委員に就任した高橋史朗・明星大教授(56)はマスコミの取材に応じた。一問一答は次の通り。(以下河北新報07月27日金曜日記事より作成)
―梅原克彦市長から委員を委嘱された経緯は。
「市長とは面識がなかった。これまで書いた論文を、お読みになってくれたのではないか」
―男女共同参画社会に関し、どのような考えを持っているか。
「男らしさ、女らしさを否定してはいけない。ジェンダーフリー論者はこいのぼりやひなまつりを否定している。尾形光琳の紅梅白梅の絵のようにどちらの梅も美しい。これと同様に男女の違いを生かし、補完し合う関係が大切だ。男女間の良いバランスを構築していく必要がある」
―就任に当たって、市民から異論が相次いだ。この状況をどう受け止める。
「埼玉県の教育委員に就いた際にも反対はあった。が、発言内容に関する批判はなかった。新しい歴史教科書をつくる会の元副会長という肩書など、単にレッテルを張っているにすぎない。仙台市の取り組みを尊重し、建設的な議論を重ねていきたい」
―将来的に、市教育委員に起用されるのではないか、との憶測を呼んでいる。
「(埼玉県との)兼任はあり得ない。意欲もない」
仙台市男女共同参画推進審議会委員(2007.7〜)
小田 泰子氏 :小田眼科医院院長・日本女医会会長
高橋 次男氏 :仙台市議会市民教育委員会委員長(副会長)
高橋 満氏:東北大学教授
増田 祥氏 :弁護士
水野 紀子氏 :東北大学大学院法学研究科教授(会長)
以上留任
浅見 紀夫氏 :一ノ蔵酒類販売株式会社代表取締役会長兼社長
大隅 典子氏 :東北大学大学院医学系研究科教授(第1回欠席)
大塚 憲治氏 :宮城県さくらハイツ施設長兼宮城県コスモスハウス施設長(第1回欠席)
菊地 有紀子氏 :公募委員
小谷 元子氏 :東北大学大学院理学研究科教授
高橋 史朗氏 :明星大学人文学部教授
本田 紀子氏 :宮城労働雇用均等室長(第1回欠席)
松良 千廣氏 :学校法人常盤木学園理事長
宮本 弘子氏 :公募委員
吉田 裕明氏 :仙台市立南吉成小学校長
以上新任